子供には注射しない? |
時々「子供に麻酔しないほうがいい」と思っていらっしゃるらしいお母さんがいらっしゃいます。お子さんに注射するのを嫌がる歯医者さんもいらっしゃいますが…。
例えば「虫歯の穴が開いていて、それを治療する」というのは「穴だけ埋める」のではなく「悪いところを全部とってつめる」のでなければ治療したことになりません。痛くない、そしてきちんとした治療をするには麻酔が必須です。大人の方には「痛かったら言って下さい」と頼み、痛みが出たあと麻酔をすることも可能ですが、お子さんには痛い思いを味わわせてから麻酔をしたくありません。また確実に麻酔が効いていればとりあえずこの治療から逃げるために「痛いよう!」と騒がれても自信を持ってきちんと治療できますから、お子さんにこそ、確実な麻酔が必要なのです。 |
注射は痛い? |
「注射は針を刺すから痛い」と思っている方が案外多いですね。私たちは最初に表面麻酔剤を塗り、「刺される痛み」を抑えます。だから「針を刺される」と怖がる必要はありません。「チクッとするよ」とわざわざお子さんを怖がらせるのも止めましょう。
ただ、麻酔液が注入されると、粘膜に圧迫感を感じます。「少し押される感じがしますよ」と断りますが、初めてのお子さんはやはりその圧迫感や麻酔の痺れ感を「痛い」と訴えることがあります。私たちがお子さんに「虫歯菌が寝ると押される感じがするよ」と説明している傍で「痛いけど我慢しなさい」と痛みを誘導しないようにしてくださいね。 |
注射をすると子供が泣く? |
実は注射の針を刺すときに泣き出すお子さんはそう多くありません。表面麻酔が効いていると「チクッ」としません。また、小さいお子さんなら、麻酔液注入時の圧迫感も「押されるでしょう?ムシが寝ているからね」という言葉で十分誘導され、かえって安心してくれたりします。麻酔は音がしないので、1歳、2歳の方は特に麻酔までは静かなものです。 |
低年齢の方に、麻酔のあとの注意 |
一番心配なのが「咬傷」です。特に下唇がしびれているとき、痺れ感が気持ち悪くて唇を咬んでしまう、あるいは気づかずに咬んでしまうことがあります。
そしてそれより多いのが「歯ごたえが気持ちよくて唇を咬んで遊ぶ」こと。唇は、ちょうどグミキャンディのような歯ごたえがあって咬んだり吸ったりすると気持ちいいらしいのです。治療後30分から1時間ほどは咬む食べ物をひかえ、(飲み物は大丈夫)、こちらで差し上げるロール綿か、ハンカチかタオルをくわえさせておいてください。 |
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